鼻づまりや頭重感でお悩みの方へ
目次
- 中耳炎について
- 急性中耳炎（痛みを伴うもっとも一般的な中耳炎）
- 滲出性中耳炎（耳に水がたまる中耳炎）
- 慢性中耳炎（鼓膜に穴が残る・耳だれが持続する中耳炎）
- 真珠腫性中耳炎（もっとも注意が必要な中耳炎）
- 中耳炎を防ぐために
- 当院の診療の特徴
副鼻腔炎とは？
鼻の周囲には、上顎洞（じょうがくどう）、篩骨洞（しこつどう）、前頭洞（ぜんとうどう）、蝶形骨洞（ちょうけいこつどう）と呼ばれる空洞が存在します。これらを「副鼻腔」といい、通常は空気で満たされ、呼吸の通り道として機能しています。
しかし、風邪やアレルギー、細菌感染などをきっかけに副鼻腔の粘膜が炎症を起こすと、膿や粘り気の強い鼻水がたまり、排出が滞ります。この状態を「副鼻腔炎」といい、一般的には「蓄膿症」とも呼ばれています。
副鼻腔炎は大きく急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。
急性副鼻腔炎
原因
- 風邪をひいた後に細菌やウイルスが感染する
- 花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎
- 上顎の虫歯や歯の炎症が副鼻腔に波及
- 大気汚染や乾燥など、環境要因による炎症
症状
- 強い鼻づまり
- 黄色や緑色の粘り気のある鼻水
- 額や頬、目の周囲の痛みや圧迫感
- 頭痛や頭重感
- 匂いがわからなくなる嗅覚障害
- 鼻汁がのどにまわって痰になる「後鼻漏」
診断
治療
薬物治療：抗菌薬（マクロライド系など）、炎症を抑える薬、アレルギーを抑える薬を症状に応じて処方
ネブライザー治療：抗菌薬やステロイドを霧状にして吸入し、炎症を起こした粘膜に直接作用させる
急性副鼻腔炎は適切に治療すれば1〜2週間で改善することが多いですが、放置すると慢性化する場合があります。
慢性副鼻腔炎
原因
症状
- 鼻づまりが慢性的に続く
- 後鼻漏（鼻水がのどの奥に流れる不快感）
- 黄色〜緑色の鼻水が長期間出る
- 匂いがわからない（嗅覚障害）
- 慢性的な頭重感や倦怠感
- 鼻茸（はなたけ：鼻ポリープ）ができることもある
診断
治療
薬物療法：少量のマクロライド系抗菌薬を2〜3か月間続ける「少量長期投与」が有効な場合があります。重篤な副作用は少ないとされますが、指示された期間を守ることが大切です。消炎剤やアレルギー薬を併用することもあります。
鼻処置・吸引：膿性の鼻水を取り除くことで呼吸が楽になり、感染の温床を減らします。特にお子さんは鼻を上手にかめないため、鼻水の吸引だけでも通院する価値があります。
ネブライザー治療：急性と同様に、薬剤を霧状にして鼻や副鼻腔の粘膜に直接届け、炎症を和らげます。
重症例や鼻茸が大きい場合には、手術（内視鏡下副鼻腔手術：ESS）が必要になることもあります。例えば喘息に合併するような好酸球性副鼻腔炎などは内服・外用加療では治療が困難な場合がありますので、専門施設への紹介が必要です。
当院の診療の特徴
おおの耳鼻咽喉科クリニックは、板橋区役所前駅徒歩1分に位置し、予約なしで受診可能です。鼻づまりや濃い鼻水、頭重感など副鼻腔炎に伴う症状が出たときに、すぐにご相談いただける環境を整えています。
診療では鼻の奥を内視鏡で確認し、必要に応じて副鼻腔の炎症状態を評価します。急性副鼻腔炎に対しては抗菌薬や消炎薬、ネブライザー治療を組み合わせて速やかな改善を目指し、慢性副鼻腔炎に対しては長期投与や鼻茸の有無を確認しながら、将来の再発予防も含めて治療方針を立てています。
また、小児から大人まで幅広い年齢層に対応しており、特に鼻づまりによる睡眠の質低下や、言語発達への影響が懸念されるお子さまの副鼻腔炎にも配慮した診療を行っています。必要に応じて専門施設での手術治療へスムーズにつなぐ体制も整えており、安心して長期的に通院いただけることが当院の強みです。
この記事の監修者
おおの耳鼻咽喉科クリニック
院長 大野 俊哉（おおの としや）
おおの耳鼻咽喉科クリニック院長。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医であり、医学博士として耳・鼻・のどに関する幅広い診療に携わっています。特にめまいや難聴、耳鳴りといった生活の質に大きく関わる疾患にも力を入れ、地域の方々が安心して相談できる体制を整えています。
所属は日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会のほか、日本医師会、東京都医師会、板橋区医師会・板橋区耳鼻咽喉科医会などで、近隣の他科診療所との連携も含め地域医療への貢献にも尽力しています。患者さま一人ひとりの症状や背景に丁寧に向き合い、信頼できる「かかりつけ耳鼻科医」として日々診療を行っています。
